アパレル過剰在庫問題

アパレルの余剰在庫が過去最高に膨れ上がっている。市場に投入される28億点の衣服の約半数が売れ残っている。なかには新品のまま焼却処分されるケースも。背景にはアパレル業界独特の構造がある。企画から販売までの生産期間の長さに比べ、販売期間は短く、商品の入れ替えが年々早くなっているため需要予測が困難に。さらに、欠品となって販売機会を逃すことを恐れ、必要以上の量を生産しているという指摘もある。私たち消費者にとって身近な衣服の危機。持続可能な社会にふさわしい解決の道を探る。
(引用:https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4182/index.html)
こんな、始まりで書かれているNHKのクローズアップ現代+の記事を見ました。

番組を見ていないのでどのように番組で紹介していたのかわかりませんが、とても気になったのでアパレル業界で働く者として感想を書きたいと思います。
過剰在庫などについて知りたい方は上の記事見てみて下さい!


過剰在庫は僕が、専門学生だった事から課題の一つとしてあげられていました。
過剰在庫に、至る理由は単純に作りすぎですが
なぜ作りすぎてしまうのか!
ここが問題になります。
大きな理由としては2つあげられます。
①百貨店の仕入れ体制 消化仕入
②ファストファッションの台頭
この二つがあげられます。

まず、①についてですが
今も昔と変わらず百貨店では消化仕入れが行われています。
消化仕入れとは百貨店がアパレルブランドから服を百貨店で売る為に仕入れます。
その際お金はかかりません。
その後百貨店で売れた分だけ仕入れた形にし
残った分はアパレルブランドに返品される形です。
つまり、百貨店は損をしにくい体制になっています。
なので、アパレルブランドは各百貨店からの要望の量を提供できるように生産を頑張っています。しかし、実際は入れても売れないものが多数あるのでそれは返品され過剰在庫となってしまいます。
具体的にはもっと色々あるのですが
簡単に言うとこのような感じになります…

②ファストファッションの台頭
皆さんが言うようないわゆるファストファッションのユニクロ、GAP、ZARAのみでなく安いブランドがいっぱい出てきています。

安いものには理由があります。
洋服は大量に作ると1枚あたりの金額が安くなります。
例えば 10枚で1000円 だと1枚100円です。
15枚で1200円だと1枚80円になります。
大体の製造業はこのような体制になっています。
皆さんも昔学祭などでクラスTを作るときにとかに見たことがあると思います!
大量に作った方が1枚あたりは安くなる!ってことを!

イオンモールなどに入ってるブランドは
主要都市だけでなく地方にも沢山の店舗を持っています。
売る場所が沢山あるのでより多くの枚数を発注できます。在庫分も見て更に多く発注できます!そして安く売っています。

しかし、そこで当たらなかった商品は…
そうです。過剰在庫となります。

ここまで簡単に過剰在庫について私なりの見解で話してきました。

私の結論としましてはブランドが需要に対して多すぎるとなります!

どこのブランドに行っても同じような商品が並んでいます…
そして、安売りで戦っています。
そうなると過剰在庫は増えるばかりです。

時代の流れから商品自体のクオリティを重視する方向になってきています。
クオリティとは縫製の良さだけではなくデザイン面でもです。

将来的にブランド数は減ると私は考えていますが
それは買う側の皆様もアパレルの現状を知る必要があると思います。
安いものには背景がある。
過剰在庫を焼却しているのを知ってもったいないとだけ言うのではなく
自分がどのような所で服を買っているのか
その背景を見てから言うようになっていただけるといいなと思います。

自分がそのもったいない行為に無意識に加担しているかもしれません…

悪いのはアパレル企業・業界そしてそのブランドかもしれませんが
そうなった流れは日本人全員にあります。

服は嗜好品でもありますが
生活必需品でもあります。

この問題は、業界だけでなく
国として、消費者としても考える必要があるのではないでしょうか?

悪い言い方ですが
私の意見は中途半端なブランドはなくなれば良いと考えています!

左右確認

1995年生まれの人間(仕事:アパレル関係) ファッション/アパレル/ビジネス/映画/アニメ/本/旅行 などの感想がメインのブログです。

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